息切れ、浮腫があるとき

息切れ(呼吸困難)とは、少し体を動かしただけで呼吸が速くなり、息苦しくなる症状をいいます。これは、全身の相対的な酸素不足によって生じます。呼吸困難の原因として、さまざまな呼吸器疾患、貧血、加齢による心肺機能の低下などがありますが、急激に悪化する場合、左心不全の可能性を考える必要があります。

左心不全では、左心房への流入が障害され、肺循環のうつ滞が生じます。肺胞に組織液や血液が浸み出し、酸素の取り込みが障害されることにより呼吸困難が生じます。左心不全の初期には、夜間就寝後に呼吸が苦しくて目が覚めることがあります。

横になることで末梢からの静脈還流量が増加し、肺うつ血が生じることが原因で、上半身を起こすことにより症状は軽減します(起座呼吸)。また、呼吸困難に伴い、ピンク色もしくは血性の痰を伴う咳がみられます。右心不全では、静脈系から右心系への還流が障害されることにより、静脈圧の上昇と、手足を中心とした浮腫(むくみ) がみられます。

浮腫は一般に、心臓や腎臓の機能が低下して、体の組織間に異常に多くの水分が貯まった状態をいいます。起床直後には目立たない足の浮腫が、夕方になると増強し、靴を履けなくなることもあります。

下肢の浮腫は、静脈の機能不全、腎疾患、肝疾患など心疾患以外でみられることも多く、特に中年以降の女性では、明らかな疾患がなくともしばしばみられます。心不全による浮腫には、下肢を中心に全身にみられること、出現に先立って体重増叫がみられること、呼吸困難など他の心不全症状をことなどの特徴があります。消化管や肝臓など腹部の臓器にうっ血が生じると、食欲低下、腹部膨満感、肝機能低下などをきたします。

消化管のうっ血は、蠕動運動の低下による食欲低下、便秘、嘔気などの消化器症状をきたすばかりでなく、利尿薬や強心薬などの経口薬の吸収効率を悪化させ、薬剤の効果が低下することで心不全がさらに悪化することがあります。